マザーボードのように見えるデジタルシティの全景。

サイバー脅威の状況は、新しい脅威が出現したり、昔の脅威が再び猛威を振るうなど絶えず変化しています。

デジタルシティに重ね合わせた画像処理されたポリゴン人間の顔。

知っておくべき最新の脅威について紹介しますので、まずご視聴ください。

車を運転しているロン・リビングストン (俳優) のディープフェイク動画を並べて比較。

ディープフェイクとは、機械学習を応用して本物の芸能人や政治家そっくりに作られた偽の動画や音声のことです。

出典: VFX Chris UMEのYouTubeチャンネル

本物の動画

ディープフェイク

ディープフェイク作成用のコンピュータープログラムは、ロバート・ダウニー・Jr. (俳優) に見せかけてディープフェイク動画を作成します。

インターネット上に公開されている人物の音声クリップや動画の上に既存の映像を重ね合わせて結合させます。

出典: DeepFakeryのYouTubeチャンネル

演壇に立って演説をしているヒラリー・クリントン (政治家・外交官) のディープフェイク動画を並べて比較。

このように加工されたクリップは、エンターテインメントの分野で主に活用されていますが、悪意を持って行われることもあります。

出典: DerpfakesのYouTubeチャンネル

本物の動画

ディープフェイク

ソファーに座ってスマートフォンを見ている人。

詐欺犯罪やソーシャルエンジニアリング攻撃の強化、フェイクニュースの作成、ニセ情報の拡散などにも悪用されます。

ノートパソコンのキーボードに入力しているサイバー犯罪者の手の拡大画像。

近年、英国を拠点とするエネルギー企業のCEOが、ドイツの親会社の経営者と電話で話していると思い込み、22万ユーロ(約2600万円)を送金してしまった、という。ところが実際は、経営者本人のドイツ語なまりまで忠実に再現した、極めて精巧に作られた「声のディープフェイク」の電話による指示だったといいます。

人の顔の上に表示されたディープフェイクによるデジタル加工マッピング。

テクノロジー企業は、これらの攻撃に対処するための対策に取り組んでいますが、依然としてこの種のの巧妙化した手口の被害は増加傾向にあります。そして、機械学習のまさにその本質から、近い将来、ディープフェイク技術はより高性能になり、さらに深刻な問題をもたらすことが懸念されます。

バラク・オバマ大統領とジョーダン・ピール (映画監督) のディープフェイク動画を並べて比較。

こうした脅威に対する主な防御対策としては、画像や音声がたとえ本物そっくりに見えたとしても、動画に大げさなリアクションや不審な点がある場合は警戒することです。

出典: BuzzFeedのYouTubeチャンネル

本物の動画

ディープフェイク

ライアン・レイノルズ (俳優) の顔をウィリー・ウォンカ役のジーン・ワイルダー (俳優) にすり替えたディープフェイク動画を並べて比較。

テクノロジーの進化に伴い、本物であるのかを見分けることが非常に難しいこともありますが、 ディープフェイクは欠点も抱えています。まばたきをしない、不自然な顔の動き、異常な肌の色、奇妙な照明などが認められます。

出典: NextFaceのYouTubeチャンネル

心配そうな顔でノートパソコンに表示された情報を読んでいる人。

疑わしい動画を発見した場合は、オンラインから制作された元の動画を見つけてみましょう。

相手がサイバー犯罪者とは知らずにスマートフォンで話をしている人を分割表示。

怪しい電話を受け取ったら、本物の相手のように聞こえる場合でも、発信元や電話番号をもう一度確認し、何か不審な点がないか確かめてください。

心配そうな顔でスマートフォンを使いながらソファに座っている人。

攻撃の被害を避けるための最善の方法は、機微情報や送金の要求が本物かどうかを確認することです。そのためには、正しいことが確認された電話番号を使って相手にもう一度電話をかけて確認するなどしまし
ょう。

座りながらノートパソコン画面に表示された重要な情報を読んでいる人。

ディープフェイク技術は、サイバー脅威の状況において、今後さらに巧妙化・日常化することが予測されるため気を付けてください。